5.26.2018
午前中、小説二時間。
23〜25まで。
午後、センゲキでS・スピルバーグ『ペンタゴン・ペーパーズ』初日。二度目。
前回、何とかというワシントンポストの記者がモーテルでダンと面会する時に水たまりを踏むのが妙に気になって、今回は前回気づかなかった、戦場でダンが行軍に参加するときに水たまりを踏むのを確認。その後、彼が戻ってきた拠点でタイプライターを打ち込むすぐ側には死体袋が並ぶ。
この二つの水たまりが呼応するのなら、死体袋が指し示すのは、モーテルのベッドに並ぶ数千枚に及ぶ機密文書の束だ。まさに本国には伝えられず隠蔽された兵士の死と、その事実を知らせるペーパー。
その事実が、兵士の死が、人から人へ、文書からタイプライターへ、タイプライターから新聞の輪転機へ、束となり道端へ、人々の手へとわたっていく。
特に派手なアクションが起こるわけでもなく、電話と対話で進むだけの話をこれだけスリリングで躍動的な映画に、しかも報道の自由に女性の社会地位まで盛り込んでこれだけスタイリッシュに描ける監督の天才!
とくに内線でぐるぐると話すシーン!扉を開けると突如騒々しく大勢の人間が駆け回る場面が続いた後での、あの扉を閉めメリル・ストリープが一人受話器を取る。
イヤリングをとって電話する、電話のコインを落とす、車に轢かれそうになる、ライトが揺れる。細かいところで観る者を揺さぶる。
松浦君は全然宣伝してくれないし、チケットも一枚も売ってくれないが、頑張ろう。目指せ50枚!
売れば売るだけ僕は赤字になっていく。