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雨。いちにち、雨だった。花咲き乱れる季節もあっというま。庭も緑一色になりつつある。最近、ゴリラみたいに頭がポコんと大きいカラスが一羽、庭にきている。


飯田に地震が来た時のことを考えている。

熊本を中心とした九州大震災に対する政府の言動を見聞きして、僕が考える国家の根本原則とは真逆な対応ばかりなので、不安でしょうがない。いまだに熊本大分地震と言ってるのは、中央から離れているからだろうか。政府高官の地元でないから、という話もあるけど、それも地元への愛着なんかじゃなくて票田だからじゃないか。そう考えたら、飯田なんて東京から近いから同じ地震による被害を被る可能性はあるけど、そうなったら中央は飯田どころではあるまい。

基本的に国は何もしてくれない、と5年前の震災からずっと思っている。(なんで、みんなまだ「いまこそ、次こそちゃんとして」と望みを持てるのかわからない。

選挙に行けば変えられるという考えも、甘えにみえる時がある。自分が変わらなきゃ。そういう意味ではみんな、同じ人間なのだ。秘密保護法や憲法解釈の際に「それで戦争が始まるわけじゃない」と言われた。先日のサイバーセキュリティ基本法の改正案や刑事司法改革関連法の可決への非難にも、同じことを言っている。逆に「戦争法」と名付けて批判する人もいたし、今回は「国民発言禁止法」と言っている人もいた。でも、法律は戦争を起こさない。起こすのは人間だ。

僕はこの法案を恐れているわけじゃなくて、法案を使おうとする人達を恐れているのだ。それにそこに立つ人が変わっても、多分同じなんじゃないかと思ってしまってもいる。だって、結局自分は投票する前も後も何も変わっていないのだ。)


実際の避難経路とか方法とかは全然わからない。基本的に飯田はだいたいどこも危ないと思え、と言われた。でも、古い家が残ってるあたりはまだ大丈夫そうな気がする。フルーツラインを逃げるのは危険かもしれない。旧道を探しておいたほうがいいか。

コーヒーの焙煎は、僕はどこでもできる。さいあく、ザルを加工してまた手網に戻ればいい。店ももともと構えてないし、はじめから0円スタートだったし、小屋も知識は全然ないけど自作した経験のおかげで何とかなるだろうと思える。生き延びられれば、同じことがすぐにできそう。

原稿仕事なら、それこそどこでも書ける。意外に強いかもしれない。

問題は、そこまでの道のりだ。生き残るための知恵。

でも、そんなことよりとにかく書いていたい。とも思う。


映画の原稿を仕上げて、岩倉さんに送る。原稿のために「ブンミおじさんの森」を見直す。やっばい。超スローテンポ。なのに濃密で、瑞々しい。身体が森林浴した時みたいになる。物語以前のカオス。ETHICA FORMS。15日は、絶対に松本に行きたい。『アルゴ』『百円の恋』を借りてくる。