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曇り。午後、一瞬ひょうが降った。すると昨日の暖かさが嘘のように冷えた。

ライブに出たり(ひさこちゃんのハンバートハンバートは、「こんな風になるんだ!」という驚きで、あれは完全にひさこちゃんの歌だった。ギターは弾いてれば勝手にうまくなるし、とりあえず誰かに弾いてもらって歌ってるのを聞きたいなぁ。と思ったら、次はそうしろと言われたらしい。僕らは、まぁみねくんは寝そうだし相変わらずのバンドだったけど、チューニングがばっちりで良かった。カツノはどんどんうまくなる。歌(たとえば歌詞)が、自分の内側からとは違う外の歌が増えたらすごいんじゃないか、と思っている(虫喰い様が好かれるのも、そこにあるような気もするけどどうだろう))、そのあと遅くまで飲んだり(みんな朝早くて大変なのに、とても楽しくてなかなか帰ろうと言いたくない…)した。

久々にラボもやった。5人でちょっと寂しい…。でもその分、それぞれで淹れて飲み比べたり楽しくできた。これでまた家で飲む人が増えたらいい。新しい繋がりも。

コーヒーの焙煎をして、二つ原稿を仕上げる。ヤギで鈴木さんとばったり会う。鈴木さんが鈴木さんのこれまでの仕事を見せてくれる、なんと!こんなの作ってたのかー。すごい。最近読んでいる本の話になり、「表象をね」という話になって、「西洋と日本とアニミズムのようなものは同様にあったのだけど、違ったところは「森」があるかないかだった、という。」と聞いて驚いていま読んでいる『森は考える』を見せる。アピチャッポンを紹介し、熊楠とかで盛り上がる。『森は考える』はまだ一章の途中だけど、普段考えてることが書いてあるので、おれ天才じゃないかと思った。よくある。誰かの考えを自分が考えたかのように勘違いする、そう思えるのは他人の思考が血肉化した証拠だ、と前向きに捉えている。と、このことも『森は考える』には書いてあったが。

明日のためにパヴェをつくる。バジル、ペッパー、カルダモンをたっぷり。チョコをテンパリングしなくていいようにカカオでまぶすのだ。これなら失敗なしで出来る。

『シャーロックホームズ』『シャーロックホームズ・シャドウゲーム』『リトル・ミス・サンシャイン』『珈琲時光』『ストーカー(タルコフスキー)』『ものすごくうるさくて、ありえないほどちかい』『プラダを着た悪魔』『アンダーグラウンド』『マグノリア』最近、映画づいてる。

夜、寝る前に図書館で借りてきた小島信夫『残酷日記』を読む(書庫にいつから眠っていたんだろう、背表紙は布テープで補強されて白インクの手書きでタイトルが書いてある。貸し出しカードの袋に印刷してある図書館の電話番号は三桁のときのまま。カードを見ると、中学生の男の子から50代の主婦までわりと幅広い層に読まれていてなんか驚いた。そして、なぜかちょっと羨ましくなる。しかし、昔の貸し出しカードには氏名どころか年齢や職業まで記入する欄があるなんて今じゃちょっとら考えられない。昭和30年に出た本なので、当時中学生の森くんと杉本くんは、その後いつ読んだかはわからないけれど少なくとも75歳よりは若い、ということはもしかしたまだ地元にいて同じ図書館ですれ違ったりしているのかもしれない。小島信夫を読んでいる人がこの街にどれだけいるのだろう。そう考えるとなにか言い知れない喜びがわいてくるのでした)。どこかカフカっぽくしているような意思が見えて、今の(というのもおかしいけど)小島信夫ほどには小島信夫ではない時期もあるんだなぁ、と思った。すると『裸木』を読みたくなって本棚を探したが、どこに入っていたか忘れてしまって見つからなかった。