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5日8日

曇っていた、とおもう。

一日、空を見上げることのない日だったということか。思い出そうとしてもちょっと思い出せない。


昨日焙煎したケニア・キルニャガを飲んでみる。2ハゼ前後でとめた2杯とも、酸味の応酬は姿をひそめて丸い柔らかい甘みと酸味のバランスがいい。とはいえ、一度あの強烈なシトラスの酸を知ってしまうとなにか物足りない。

ふと、いまコーヒー焙煎で表現されようとしている強い酸味は、ファストフードのような味覚のうちの一つを強烈に刺激することで旨さを知覚させようとする方法にのっかってるわけではあるまいな?今の僕はスペシャルティコーヒーの酸味に捉われすぎていて、それは例えばアイラのスコッチをはじめて飲んだとき、そのピート香の強烈さにがつんとやられている状態と似ているのかも。

なんの気なしに口にすればボヤけているように頭に残らない、でも少し能動的に味わうと香りや味が重層的にそこにあって味がさまざまに変わっていく、そんな旨さがコーヒーにもあるはずなのだ。みそ汁のお出汁みたいなもんで。

でも、やっぱりあのコーヒーらしからぬ、ていうか本来のコーヒーのなんだろうけど、あの酸味を皆に飲ませたい欲求が強いので次回からはまたミディアム〜ハイの間でとめることにする。

ブラジル・ハニーショコラは逆に前回より炒り止めを早く、2ハゼから25秒で火からあげたものを飲んでみると、一口めは平坦な味なのだが少し口のなかで転がしていると柔らかいカカオフレーバーが広がっておいしい。ハニーはうまく拾えなかった。もう少し浅くてもいいのかもしれない。

あぁあ、どんどん浅炒りに引っ張られている…


店においてもらう時のためのポップの文面の推敲。それからユウスケ君と打ち合わせ。6月になるが、大口の仕事が入る可能性が出てきた。エスプレッソ用の豆を選ぶというはじめての仕事もでてきた。

でも今回の一番の収穫は、林っさんの作品を陽のめに当てることができることになった、ということが一番嬉しいことで、彼のいわゆるアウトサイダーな作品を見せて街の人を驚かせたい。(しかし、アウトサイダーって書いた瞬間に、アウトサイダーなんて、あるのかなぁ。むしろ言うなればサイダーでしかない、と思うのだが。)これが高く売れたらいい。


夕方からカフェのカウンターに陳列するコーヒー豆のレイアウトに頭を悩ます。けっか、家の本棚からずいぶん昔の日に焼けたモーパッサンの小説を持ってきて、空白のページに商品名と説明を書いたわら半紙を貼り付けることにする。100円で買ったやつだ。なかなかいい出来だ。

営業活動からの逃避という側面の、みちみちた一日でした。