3月15日

快晴。


午前中、庭に脚立を置いて日光浴がてら昨日の本の続きを読んでたら甥っ子の寛大登場。ようやく歩き出した寛大は、ちょっと歩いて尻もちをついていて、もう大きくなった自分じゃ気づかない土の起伏が寛大には大きなものなんだ。大人が尻もちをついたら痛いが、赤ん坊は全然痛そうじゃない。

赤ん坊は、見ていてもずっと飽きない。僕にとっては、赤ん坊と街中の野良猫は同じところにあるんだなぁ、とある時気づいて、僕はもう殆ど尊敬の眼差しで赤ん坊を見ていることがある。いい匂いがした。

梅の蕾がきれいに赤づいていた。


たまに自分の中の暴動(身体が激しく暴れる)衝動が抑えがたくなることがある。


実践ガイド。

材木のための伐採は切る段階で、曲がり具合や詰まりや径を見て、無駄が出ないように考えられてきた。木が成長する夏場は養分が出るから虫がつきやすいし、周りの木の樹皮も柔らかく傷つきやすい。冬場は乾燥するから目方が軽い。虫もつかない。伐採する時期も方法も自然に沿うことが人間の利益にも繋がっていた。集成材に国産材が使われるようになって、曲がった木でも桂剥きみたいにして使えるため用途が増えて、B材として流通できるようになった。しかも2×4は流行るし、大手のメーカーが大量に安定的に買ってくれるから、真っ直ぐの材木もそこに流れることも多く、木に合わせて伐採しなくても売れる(もちろん、値段は安くなるが)。価格の高い木は、相応の価値があるから高いけれどなかなか売れないから当然減っていく。価格競争もある。機械化が進んで元もとらなきゃいけない。上の理由で間伐しなかった夏場も、仕事がないうえに補助金もでるから間伐する。機械で切るから、木の個性は無視できる/される。林業でも、他と同じことが起きていた。どこも同じなんだなぁ。

材木店に面接に行った。HPには山の活性化も指標にしていて、興味深かった。

外の置き場にある材は?あれ、殆ど外材です。今、ちょうど花粉の時期だけど外、杉や檜が一杯でしょう。あれ、元はみんな材木用ですよ。でもね、あれ切っても割に合わないです。この街でもあそこ、◯◯木材あるでしょ、あそこぐらいですよ。カーテンつくったり、私たちも色々やらないと大変です。

トラックも、フォークリフトも経験はないです…よね(笑)。はい、残念ながら(笑)


帰り道、多分ダメだなぁと思いながら少しホッとしていた。

仕事をやめてからこの一ヶ月で、ほんとうに色々なことに気づくことができた。でも、まだ足りない。この空白は、動くことで埋められていく気がする。もういっこ、面接に行く。労働を労働じゃなくすこと。レンズを磨いている森敦の姿を想像する。

久々に林っさんの家に遊びに行く。コーヒーを飲みながら、いつも通り適当にBGMを流して、全編アドリブのみの、誰も聞くことのないラジオ番組をつくって、だらだらと駄弁る。いつもこうやって、金のかからない遊びばかりをしてきたのだ。そのツケが今になって、うまくお金を使えないので困ってしまう。


鯖を焼き、風呂吹き大根を拵える。

アゴタ・クリストフ『第三の噓』を読む。