読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

10月15日

雨。強まったり弱まったりしながら、しかし止まずに降っていた。


昼に起きて、車で送ってハローワークに行き、大工に面接をお願いしますと頼みに行く。まだ全然踏ん切りがつないけれど、落とされるという気持ちが全くなかったことに呆れる。頭の中でシミュレーションしてみる。全然、答えられず。ただ正直であることだけに努めよう。しかし、電話していい時間がハローワーク勤務時間外で自分で掛けてね、と言われてまんまとそのまま忘れた。スーツに着替えて証明写真を撮る。


引越し先の畳の淵の柄のカタログを眺める。こんなのまで選ぶようになってたとはな~、と感心しながらもう、ちょっとめんどくさくなっている。

灯油を買い、サンマとスダチを買って貰い物のちいこい松茸で土瓶蒸しを拵えて、白米を炊く。三つ葉や海老や出汁すら入れず、松茸と蒲鉾だけで作るのだ!と優子さんは力説されたらしいが、出汁をとらない勇気は二人ともなかった。

サンマは、ワタごと身をほぐしナメロウのようにとにかく叩きまくって食べる。味のり、久しぶりに齧った。


雨の音を聞きながら、『未明の闘争』の続きを読む。途切れ途切れで読んでいた連載時に、勝手に自分の頭の中で小説を作り上げていたことを読んでいるうちに気づいたけど、読まなかったら気づかない。21章で、小島信夫にとても接近していた。柴崎友香もみえた。


本人にそのつもりがなかったとして、読み手が似ていると思うことはどういうことだろう。勿論、保坂和志が二人を読んでいることをぼくは知っている、だから接近した、と思った。接近したそのことがこの人はやっぱりすごい!と僕は思った。作品ではなくて、この人はすごいと思った。作品は、もちろんすごい。

その気持ちを先取りされるように、いま「私」はチャーちゃんのクローンの話をしている。


夜食に、夜型の僕はこれが三度目の食事になるので夕食にあたる。赤いキツネを、食べる。赤きキツネ、とミスタッチした。えらい違いだ。未明の闘争、素敵なタイトルだなぁ。と思う。