5月17日

快晴。雲がないということ。

起きて、車がないこともあり起きてもう、一日が潰された気になって鬱々とする。そのまま、店に準備に行く。

歩きながら前向きなろうとして、まぶしい桜並木を歩く。すると、ロータリーまでのワンブロックのあいだ、自動車の影も消えて遠くのエンジン音すら届かなくなって辺りがしんとした、風が西から吹いて、新緑の桜の葉がワサワサ、と音をたてた。世界の別のレイヤーに入り込んだような、いやむしろ、世界からレイヤーが一つ分離されたような、でもそれはすぐに二丁目からのトラックと創造館からの乗用車の音でもとの世界に戻った。

それから、裏路地へ入って遠回りしたら、空き家のような家の郵便ポストの名前欄に「不在」と書いてあった。

家に戻り、帰ってきた優子さんと喧嘩。そのまま出勤まで。なんとかあと10万稼がなくては、人並みの生活にならない。そんなもの、と思っても中途半端だからいけない。

しかし、10万稼ぐには月にあと30万は売り上げを増やさなくてはいけない。無理だ。いや、無理じゃない。でも、できたらすごい。しかし、店の雰囲気は変わるだろう。どうしよう。変わりたくないのか、変わりたいのか。

自分の時間がなくなっていくことを確実に忌避している。自分の中でもう、両極で揺れている。不安定。空き家はいっぱい、あった。


夕飯はイナバのタイカレー。缶詰に、本場タイでつくってます、とあるが工場なんだよな、きっと。面白いなあ。